特定検診では腹囲を測定が必須になっています。腹囲は内臓脂肪に比例して増減することが知られています。
そして、内臓脂肪が多いほどメタボリック・シンドロームの発症の可能性が高まることから、腹囲を男性で85cm以下、女性で90p以下にすることが望ましいとされました。
ここで注目されるのは女性においては90pまでは内臓脂肪が蓄積しにくいということです。90pの腹囲といえばかなり多いほうですが、これは女性の場合、肥満になっても皮下脂肪が先に付いてくるため内臓脂肪が蓄積しにくい傾向があるためです。
ただし、男性においても腹囲が多くても内臓脂肪の少ない方もおられますし、反対に腹囲がそれほど多くなくても内臓脂肪が付きやすい方もいるのです。
したがって、腹囲だけでは内臓脂肪ひいてはメタボリック・シンドロームを正確に把握することは難しいといえます。
CTでは皮下脂肪、内臓脂肪の量を直接測定することができ、面積で100cu以上になるとメタボリック・シンドロームの発症の引き金になるといわれます。
正確に内臓脂肪を測るには、CTによる方法が優れているのです。

2  肺機能測定 ー 肺年齢

日本では他の先進国に比してタバコの価格が安いため喫煙率が高いことはご存知でしょうか。
喫煙に伴う疾患は多いですが、その中でも確実に発症するのがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)です。
日本には500万人以上のCOPD患者さんがいると推定されています。
COPDは、タバコなどの有害な空気を吸い込むことによって、空気の通り道である気道(気管支)や、
酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じる病気です。
その結果、空気の出し入れがうまくいかなくなるので、通常の呼吸ができなくなり、息切れが起こります。

肺機能は年齢と共に低下し、気管の中の空気の通りが悪くなります。
また、肺が硬くなってふくらみにくくなり肺活量が減少してゆきます。
呼吸機能検査では一秒率、肺血量を測定し肺機能の老化の程度を確認できます。
その目安として肺年齢を算出しお伝えします。

肺機能測定による肺年齢測定は、喫煙や大気汚染、老化による肺の機能低下を知る有効な手段です。

肺年齢の算出の仕方 http://www.spinet.jp/me_medi01_age04.html

喫煙によって肺年齢が進んでいる場合は、禁煙のカウンセリングや禁煙指導、健康保険での禁煙治療にも対応しています。

3 骨密度測定

50歳を過ぎる頃から骨はもろくなってきます。とくに女性ではその傾向が顕著に現れます。
当クリニックでは超音波を利用した骨の密度を測定する機器でチェックすることができます。
骨密度が年齢より低い場合は、運動療法や内服治療の指示をさせていただきます。

4  禁煙指導、カウンセリング

3年前に保険での禁煙治療を始める前から禁煙のご指導をしています。
喫煙者の8割ができれば禁煙したいと考えています。しかし、ニコチン依存症による禁断症状は禁煙することを強力に妨げてしまいます。
禁煙に大切なことは、まずニコチンの依存症とそれに伴う禁断症状についての理解です。
そして、喫煙による疾患の実態をよく知っていただくことも重要です。
最後に、禁断症状を乗り越えるいろいろな手段、戦略を適切に実践していただくことです。

2008年にチャンピックスという大変効果の高い内服薬が保険適応となりました。
禁断症状を抑えてかつ内服を3ヶ月後に終了しても禁断症状が出にくいすばらしいお薬です。保険診療での治療も提供しています。
カウンセリングだけで禁煙に成功される方もたくさんいらっしゃいます。
ドックの際、あるいは日をかえてのご希望にもお答えしております。

医療法人社団 若杉会 東京人間ドッククリニック
〒116-0012 東京都荒川区東尾久1-30-8